一階にある食堂で、子供達の 面倒を見ながら、かたわら 食事作りに没頭した。
軽く、数時間が経過していた。
ガチャッ
部屋に誰かが入ってきたようだ。
「あっ! ハヤト兄ちゃん!」
特に 言葉もなく、軽く手をあげ 挨拶を交わす。
一応、ナナとハヤトは、幼なじみだ。
小さい頃は、よくイブキと三人で遊んだものだ。
しかし いつの頃か、ハヤトとは あまり会話もなければ、遊ぶ事もなくなってしまった。
お互い 毛嫌いしてるとか、そんなんではない。
ただ、異性であることが……………
思春期の微妙な気持ちの変化と重なり、
二人の関係に、溝を生んでしまう形に、なってしまったのかもしれない。
ハヤトは、静かにイスに腰掛けた。
元気がないみたい…………
いつもは、食事時間より一時間も前に来て、読書をするのが日課なのに………
今日は、本一つ出さない。
というより、持ってきてないようだ。