サンサンと照りつける太陽。
それは、アスファルト製の道から 何ともいえぬ匂いを漂すほど、強い熱気を発していた。
そこに、熱中症一歩手前ではないかと 思わせるほど、顔を赤く火照らすナナの姿があった。
時折 滴り落ちる汗を ゴシゴシ拭っては、
食材がギッシリ詰まった袋を、両手に何袋も抱えている。
その足取りは重く、暑さからか 目はうつろ気味だ。
ここは、年間通して 日中温度は35℃を超える。
夜間ともなると、そこから急激に20℃近くも下がる為、けして住み良い場所とは言えない環境なのである。
なんとか、学院の前までやって来たナナ。
その目に写った物は、分厚いコンクリートの壁だった。
それは、高くそびえ立ち、学院を取り囲んでいた。
門は、頑丈な鉄格子で守られている。
なぜに?と言いたくなるような厳重さだ。
小さな体では、その鉄格子を開けるのも 一苦労だ。