御守り袋のヒモが、根元から 切れていたのだ。
その原因も すぐに分かった。
恐らく、俺の腕を振り払った時に、どこかに引っかかって切れたのだろうと………。
「ハヤト! サンキューな!
これ ナナの大事なやつなんだよ。」
「そっか! じゃあ、それ渡して お幸せに!」
コイツ!!
相変わらずの ニタニタ顔だ。
「マジ……キレっぞ!」
そう 睨みをきかすと、両手をあげて降参気味の ハヤト。
「じょ 冗談だよ。 マジになんなよ!」
「ったく! 他人事だと思って いい気なもんだな!」
「まあまあ。 許せ!」
和やかな雰囲気のまま、俺達は、その場を後にした。