その ダチの気持ちに、逆らう気は 当然、起きなかった。


ハヤトが、俺に話す事を躊躇したのも、今となれば よくわかった。


確かに、サタン塔には 何かしらの秘密があることは、明らかだ。


しかし 知らなくても、何の問題もないのも 事実。


ただ、興味本位に 気になった、それだけの事だ。


大事な奴を 危険に巻き込んでまで、知りたくはない。





「……そうだよな。忘れようぜ!」



暗く沈むハヤトに、俺は そう伝え 立ち上がった。


それに つられるように、ハヤトも立ち上がった。



「なぁ! ハヤト!
今度、そのダチに 俺を紹介してくれよ?」



その問いに、苦笑いを浮かべ 鼻で笑う ハヤトがいた。


「それは 構わないけどさぁ!
笑っちゃうぐらい お前とは 正反対だぞ!」


「だからだよ!
違えば違うほど 得られるもんも、あるんだよ!」


軽々と、窓から室内に飛ぶように入ると、まだ下にいる ハヤトを見下ろし、自慢げに振る舞った。