勿論、道路のように 自由に歩行する事も出来る。
数年前までは、外出規制時刻までは、使われていなかったのだが
影で、違法な取引など 犯罪絡みの輩が、増えた事もあり
治安対策強化の為、仕方なく 24時間運営にせざるを得なくなったようだ。
最近では、企業の活性化のため、いろんな所でイベントが開かれたり、飲食店なども増え、その賑わいは 半端なものではない。
あまりに、自由かつ 便利な空間に 人々の不満はなく
むしろ その空間が人々の主な移動手段となってしまった為に
門限に 不満を持つ者もいなければ、疑問を持つ者も いなくなってしまったのが、実状なのだ。
イブキとハヤトの 頭上からも、もう何台もの スペースライン が行き来している様子が見える。
ちょうど、頭上を通過した スペースラインが、太くて高い 謎の円柱に向かって走行していた。
二人は、言葉や合図を交わすこともなく、同じ気持ちだったのだろうか。
スペースラインが そこを、スレスレに通過する様子を、眺めていた。
やがて ハヤトは遂に、重い口を開き 語り出した。