首を傾げる私に、イブキは話を進めた。




「あれな。俺も不思議に思って、周りの奴に聞いた事があるんだよ。
でも、誰一人答えられる奴がいなくてよー
だったら!大人に聞けば分かるのかと思ってな、聞いてみたんだよ。」


「で、何か 分かったの?」


先が気になって、つい 体を乗り出してしまった。




「それがさー
困ったことに、揃いも揃って はぐらかすんだよ。」


「えっ なんで?
それって 知ってるって事だよね?」


「そーなんだよ。
知ってるくせに、誰も答えようとしないんだよ。
終いには、そんな事 気にするな ってんだから…訳が 分かんねーよな。」





確かに、こうして聞かれると疑問が残る。

言われてみれば 変な話。

でも…そんな事 気にするな って言う意味も分かる。



現に私は、これだけ存在感のある あの煙突みたいな物に、
興味さえ 一度も持たなかったからだ。



と言うより、誰もあれに…触れなかったし……




ん ?!!!



なんか おかしくない?


違う!!

そうじゃなくて、触れさせたくなかったんだ!


それも……意図的に!!