「ごめん。ごめん。冗談だってば!」



私の冗談に、苦笑するイブキ。

その場が にこやかな雰囲気に包まれた。




「なあ。あそこにさー
煙突みたいなのが建ってんじゃん」



そう言いながら、イブキは それを指差した。



確かに、何メートルあるのか分からないぐらい、高くて太い物が、一定区間ごとに、沢山 建っている。



「あれって。煙突じゃなかったの?」


その反応に、すでに予測していたかのような イヤミな顔つきを 覗かせるイブキ。


「よーく 考えてみろよ。
あんなに 沢山 必要かよ?
まして、あんな部屋みたいなもんが へばり付いてるなんて 普通 有り得るか?」




う〜っ。
確かに、その通りだね。

そもそも、あの煙突から 煙が出ている所なんて、見たことも聞いたことないし。

あの 所々に、くっ付いてるのは、何なんだろう?



しかも ここには お風呂屋は 一軒しか無かったような………。

それも、私の記憶では、もっと しょぼくれた煙突だったような……。