私の涙に気づき 大慌てで、何度も何度も頭を下げるイブキ。



「悪りぃ。ごめんな。もう何も 言わないから!」



「もう大丈夫だから。」



「いや!良くない。ホントにごめん。」



そんな会話が、何度となく繰り返された。




そのたびに、しぶとく謝り続けるイブキの、必死な姿。


それを 見続けていたら、いつの間にか、ふっと 気持ちが軽くなった気がして、今度は 笑いがこみ上げてきた。




ぷっ…



「あっ!今 笑ったな。笑ったよな?」



「笑ってないよ。
──────ぷっ」



「どう見ても、笑ってるじゃんか」



「だって。イブキ 必死で、おかしいんだもん。」



「なんだよ。こっちは、心配してんだぞ」



「ごめん ごめん。」



謝りながらも、溢れ出る 笑いを、必死でこらえること しばらく。



なんとか心を落ち着かせると、改めて 彼の目を見つめながら 私は伝えた。



「私、強くなるよ! 今すぐってわけには いかないだろうけど
でも、きっと乗り越えるから」



「おう。俺も応援すっから、何でも言えよ。
俺はお前の味方だ。これだけは 絶対に忘れんなよ。」