∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


一番奥にある、開かれた窓に向かって、ナナは歩き出した。




普通なら、窓を覗けば ベランダありそうなものだ。

しかし ここには、それはなく 直接、屋根の上に 四・五人が座れる程度の、コンクリートのスペースがあるだけだった。



なぜなら ここは元々、隣の建物と行き来する為の、渡り廊下があった場所なのだ。



ここ フラワーマリア学院には、両隣に同じような建物が 建っている。



50年程前の事。


この辺りは、区画整理され 非常に工事の盛んな 場所だった。


その為、現場労働者が利用した宿舎が、ここには 沢山あったのだ。




初め 三つの建物は、すべて渡り廊下で繋がれていたのだが、いつの日か 老朽化が進み 取り壊されたらしい。



しかし 丁度、屋根と一体化していた ここは、取り壊す事が出来ずに、一部 残され、今も尚 残っていると言う訳だ。





「誰か いるのー?」


「おぅ! ナナ。どうした〜?」


「うん…なんか眠れなくて」


「そっか〜 こっち来いよ」


「うん。今 行く!」



そう言うと、大きく足を開き 窓をまたいだ。



ヒヤッ と、足に冷たい感覚が走った。




そこには 豪快にくつろぐ イブキが、座っていた。



そっと 横に座る ナナ。



「あのさ! 朝は…ありがとね。」


「そんなん 気にすんな!
でもよお。大変だったんだぜ 俺らの飯! もう 悲惨なんてもんじゃなかったよ」