そう、心の中で 語る院長だった。




「先生〜! 待って〜」



遥か後方から 聞こえる声。


あら! 私ったら。



「ごめんなさ〜い! 待ってるから 早くいらっしゃい。」



随分、急ぎ足だったようだ。



急いで 駆け寄ってくる生徒達。




「先生 早いっすよ!」

「ごめん ごめん。あんまり時間ないから、急ぎ過ぎちゃったわ」



小さな子は、息を切らしながらだ。



少し 歩き進むと、壁の中央に 大きな額が、飾られているのが 目に飛び込んできた。




皆を、その前に集めると、自分は額の横に立ち、説明を始めた。




「ハイ! それじゃあ いいですか?
みんな、この『過去の書』に 注目!」



一斉に 見上げる生徒達。




「ゲッ! ボロボロじゃん!」