∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


私は 父の後を継いで、はや数年。


この国立歴史博物館の 四代目館長として、どうしても…伝えておかなくてはならない事がある。





一年前の 事実。


あの…忘れもしない、恐ろしい事件。




601年前の 地球滅亡危機と比べてしまえば、

遥かに小さい 出来事なのかもしれない。



子孫である 私達も、当時の 悲惨な出来事は 語り継いだ。


しかし、味わった事のない 痛みを知る事、それは 無理な話なのだ。



そんな私達にとって、一年前に起きた……現実。


それこそが、本当の意味で…

辛い記憶となってしまったことを、どうか 分かって欲しい。





私は 館長として、この事実をすべて、事細かに記録するべきではないかと思ったのだ。




正直…私自身