言葉とは裏腹に、冷たく鋭い瞳は 語っていた。
一体…………
この子…
いつから?
そう思いながら 静かに片手で、例の機器を カバンに潜ませたのだった。
「せんせい?」
男の子は 抱きしめてもらえたことで、少し 安心したようだ。
院長の胸に埋めていた顔を むくりと起こすと、いつもの 無邪気な笑顔を見せた。
「今の なぁに?」
院長は 内心穏やかではなかった…………
この男の子は 見てはいけないものを 見てしまったのかもしれない。
迂闊にも、それに全く 気がつかなかった自分に、心 穏やかではなかった。
しかし、まだ物事を完璧に理解する 力のない幼子であった事が、院長の心に 余裕を与えた。
何一つ 疑わぬ目で、真っ直ぐ見つめ、院長の返事を待っている。
それに 答えるかのよう、笑みを浮かべ 優しく話しかける院長。
