∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


館内フロアの 中心に立つと、細く キャシャな手を 叩きながら、再び集合の 合図をかけた。




「ハイ ハ〜イ 全員 集合よ────!」




手を たたくたびに、シャワーの後のような、石鹸の 優しい香りが、髪を伝って 辺りを漂う。





やがて、その 呼びかけに、あちらこちらから 子供達の声が 一斉に返ってきた。




「はぁ〜い!」



元気一杯だ。




即座に 集まる子もいれば、ダルそうに 愚痴をこぼす子など、千差万別だ。



この子供達は、『フラワーマリア学院』に在籍している。



ちなみに、この学院は 政府公認の 孤児施設で、今は 総勢30人の子供達が 寝食を共に 生活をしている場所なのだ。