彼はおそらく、私の心境を すべて悟ったのだろう。 私の言葉を、何一つ 聞かずに…… 結局 ナナは、止めることもせず そのまま行かせてしまった。 止めようと思えば、出来たはずなのに。 それどころか、彼の優しさに甘え 利用してしまったのだ。 そう思いながらも心底 ホッ としている自分に、嫌悪感を抱いた。 あぁ……… なんて卑怯な女なんだろう。 ぐったりと、うなだれ 部屋に向かう ナナが、そこにいた。