∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


彼はおそらく、私の心境を すべて悟ったのだろう。



私の言葉を、何一つ 聞かずに……





結局 ナナは、止めることもせず そのまま行かせてしまった。




止めようと思えば、出来たはずなのに。


それどころか、彼の優しさに甘え 利用してしまったのだ。




そう思いながらも心底 ホッ としている自分に、嫌悪感を抱いた。



あぁ………
なんて卑怯な女なんだろう。






ぐったりと、うなだれ 部屋に向かう ナナが、そこにいた。