∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


そうこうしていると、私を覗き込む態勢を、スッと伸ばし 立ち上がった。

そして、髪を豪快にかきあげ、そっぽを向いてしまった。



そんなイブキの姿だったが、なぜか ナナの目には、照れを隠すような横顔に見えた。




「チェッ。遅刻仲間かと思ったけど…
なんだ〜ナナは風邪かぁ…。」



…………えっ ?!

風邪……?!



初めは、言ってる意味が分からなかった。






「じゃあな! ちょっくら 絞られてくるわ。
お前は寝てろよ。 俺が 上手く伝えてやっから。心配すんな!」






そう言い残すと、すぐに 行ってしまった。





彼が 最後に残した笑顔。

それが…すべてを物語っていた。