そうこうしていると、私を覗き込む態勢を、スッと伸ばし 立ち上がった。
そして、髪を豪快にかきあげ、そっぽを向いてしまった。
そんなイブキの姿だったが、なぜか ナナの目には、照れを隠すような横顔に見えた。
「チェッ。遅刻仲間かと思ったけど…
なんだ〜ナナは風邪かぁ…。」
…………えっ ?!
風邪……?!
初めは、言ってる意味が分からなかった。
「じゃあな! ちょっくら 絞られてくるわ。
お前は寝てろよ。 俺が 上手く伝えてやっから。心配すんな!」
そう言い残すと、すぐに 行ってしまった。
彼が 最後に残した笑顔。
それが…すべてを物語っていた。
