学院に戻った 私達は、イブキの協力を得て、部屋へと移動した。



傷つき 汚れた私達を見たら、誰もが 異変に気付く事は、間違いなかった。



だから、私達は 学院で唯一、ハヤトだけが利用する 一人部屋に、逃げ込む必要があったのだ。






「ふぅ。 シャワーありがとう。」


ハヤトの、大きなガウンに身を包み、濡れた髪をタオルで押さえながら、気持ちよさそうな、ナナ。



「おう。てか、髪 すぐ乾かせよ。
誰かに、誤解されても 俺知らねぇからな!」



「えっ!? あっ! ごめん。
すぐ 乾かすから。もうちょっと待ってて。」



「おう。」



一度は 出たものの、恥ずかしそうに 引っ込む ナナだった。



ドライヤー片手に、改めて周りを見渡す ナナ。



そして、自分達の部屋とは 余りに違う格差を、身を持って感じ取っていた。




この学院の中で、一番広く 綺麗な部屋は、おそらく 院長の部屋であろう。



しかし、この部屋も 負けずと劣らず、十分に豪華な部屋だ。