しかし、その時の事だった。
遂に、何かに当たる 確かな感触。
枝は進むのを止めたのだ。
「届いたか? 分かるか?」
「……………うん」
その返事に、心底 ほっとする 二人だった。
「いいか。先っぽに、ベルトがついてるから、それを 自分の体に結ぶんだ!」
「兄ちゃ…………」
「どうした? 大丈夫か 結べたか?」
「うん。」
絞り出すような 声だった。
トシにとっても 大変な状況だという事が、痛いほど伝わってくる。
そのかけ声と共に、ナナもハヤトも 懇親の思いで、枝を 慎重に引っ張り出した。
ズルズルと 鈍い音が鳴り響く、トンネル内。
やがて 張り裂けそうな程に、緊迫していた二人の心に、やっと訪れた 安堵感。
