∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


ハヤトの視線に、何かが 飛び込んだ。



「おい! ナナ。 アレだ!!」



そう叫ぶと同時に、ハヤトは 私を突き飛ばして、近くにあった 樹齢数百年とも 思えるような、巨大な樹木へ 吸い込まれるように 向かって行った。



私はと言うと、あまりに突然の事に 立て直す余裕もなく、無惨にも頭から 地面へと着地するはめになってしまった。



顔面に走る 強烈な痛み。

しかし、パニックに陥っていたナナにとっては、むしろ それは冷静さを取り戻す きっかけになった。



その頃 ハヤトは、その樹木によじ登っていた。

枝を掴み、上から体重をかけての ダイビング。

時間に追われていたため、かなり危険な試みだった。


樹木の 生い茂る葉は、激しく揺れ ざわめきを呼びながら、裂けるように枝は 折れた。


苦しそうに 乱れる呼吸のまま、それをナナに渡すと、いきなり 履いていたジーンズを 脱ぎだした。