∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


私は 言われたとおり、真っ暗な 何も見えないトンネルに顔を突っ込み、話しかけを続けた。



小さな声で、ほとんど聞き取れなかったが、トシは うわごとのように、ハヤトと私の名前を 呼んでいるようだった。



「………どうしよう。ハヤトっ」



もはや、ナナには 何も考えが浮かばなかった。


何も見えない、真っ暗なトンネルを覗いては、意味もなく ウロウロする始末。



ついには、ハヤトまでも 頭を抱えて、その場にふさぎ込んでしまった。


しかし、時は 容赦なく過ぎ行く。



「トシ………? ねぇ トシ? トシ トシ トシ────ッ。」


「どうした?!」


「トシの声がしないの! イヤだ。イヤ
イヤ────ッ」


悪い予感に 溢れる涙。
ナナは完全に、今の自分の立場も忘れ、泣き叫んだ。



それを 慌てて押さえ込み、ハヤトはナナを 強く抱きしめた。


「落ち着け! ナナ ナナ。しっかりするんだ! 考えるんだ。
脱出方法は あるはずだ。
絶対ある………何か あるはずだ。」



まるで、自分に言い聞かせるかのように 何度も繰り返し唱えた。




その時の事だった。