私は 言われたとおり、真っ暗な 何も見えないトンネルに顔を突っ込み、話しかけを続けた。
小さな声で、ほとんど聞き取れなかったが、トシは うわごとのように、ハヤトと私の名前を 呼んでいるようだった。
「………どうしよう。ハヤトっ」
もはや、ナナには 何も考えが浮かばなかった。
何も見えない、真っ暗なトンネルを覗いては、意味もなく ウロウロする始末。
ついには、ハヤトまでも 頭を抱えて、その場にふさぎ込んでしまった。
しかし、時は 容赦なく過ぎ行く。
「トシ………? ねぇ トシ? トシ トシ トシ────ッ。」
「どうした?!」
「トシの声がしないの! イヤだ。イヤ
イヤ────ッ」
悪い予感に 溢れる涙。
ナナは完全に、今の自分の立場も忘れ、泣き叫んだ。
それを 慌てて押さえ込み、ハヤトはナナを 強く抱きしめた。
「落ち着け! ナナ ナナ。しっかりするんだ! 考えるんだ。
脱出方法は あるはずだ。
絶対ある………何か あるはずだ。」
まるで、自分に言い聞かせるかのように 何度も繰り返し唱えた。
その時の事だった。
