ここの警備兵は、さっきとは全然 雰囲気が違っていた。
決められているのかは分からないが、ある一定の区間ごとに、正確に配置されているようだった。
ビシッと背筋を伸ばし、微動だにしない。
その姿は、まるで木で作られた人形のようで、人間味を一切 感じさせなかった。
不気味な程の静寂。
足音も……許されない。
枯れ葉を踏むだけでも、見つかってしまいそうな気がした。
それ程に、ここの警備兵には 威圧感があった。
柔らかい草を上だけを、探しては進んだ。
「大丈夫か? 少し休むか?」
「うん。でも……。」
「安心しろ。アイツらは、何かない限り あそこから動かねぇから。」
「そうなの? 何かあの人達 恐い………」
思いの丈を 発した。
「さっきの警備の奴らが、やたら別格扱いしてたのが おそらく、ここの警備兵だろうよ。」
ハヤトが導く 樹木の影に 腰を降ろした。
私達はそこで、暫し 激しい鼓動が収まるのを待った。