ハヤトは立ち上がり、手を差し出した。
私は迷うことなく、その手に身を任せた。
「もう少しだ。 急ぐぞ。」
「うん。」
私達は、公園に向かって できる限りのスピードで走った。
途中、隠れながらの捜索が続く。
ふと、気付いた事があった。
そるは、ここら辺の 警備兵は、さっきもそうだったが、やたら さぼり癖があるって事だった。
それは、むしろ 私達には好都合だった。
しかし、公園の前まで 来た時の事だった。
なぜか、これまでの雰囲気とは、何かが ガラリと変わったことに、違和感を覚えた。
「ハヤト! 何か変じゃない?」
「そうだな…。イヤな空気だ。」
スピードを弱め、ゆっくりと用心深く進んだ。