ナナは、スカートのポケットから ハンカチを取り出すと、それでハヤトの足を包み込み、強く縛った。



「大丈夫?」


「ああ。悪いな」



すでに男達は見えなくなっていた。



「ナナ……。」


ハヤトの呼びかけに、反応するナナだった。


「変だよね……これって。」


「そうだな。俺も お前と一緒だよ。
アイツらも許せねぇけど、本当の敵は……政府だ。」


ナナは、ハヤトの言葉を聞いて、少し安心した。


なぜなら、自分の感性は間違っていなかったと 思えたからだ。



理不尽な事が、余りに多すぎる 私の住む国。



まるで、見えない何かに 支配されているような、そんな気さえする。



ナナは、トシを無事に助けたら、ハヤトと もっと話したい。

ううん。沢山 聞いて貰いたいと思った。