一部始終、笑いながら語る男達だった。
……絶対に許せない!
なんて奴ら………。
余りの怒りに、我を忘れるナナ。
今にも、飛び出しそうなナナの腕を、とっさに掴むハヤト。
「今は耐えるんだ! 頼む。」
私を掴む その手は、微かに震えていた。
えっ?!
あの……ハヤトが?
怖がってる?
下を向き、小刻みに震えているのが、確かに見て取れた。
しかし、すぐに そうではないことに気付いた。
ハヤトもまた、私と同じなのかもしれない。
いや。
私なんて、彼の怒りと比べたら、足元にも及ばないのかもしれない。
なぜならハヤトは、歯を食いしばり 物凄い形相で、男達を睨みつけていた。
片方の手は、込められた怒りを 表すかのように、震える程 強くひざを掴んでいた。
そして、その指先の爪は、彼の 足の肉を切り裂き、痛々しくも 血が足を つたっていた。
「ハヤト! 足が……!」