∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


門限を少し、過ぎた頃。

一軒家の玄関ドアが開かれた。


そこから、大事そうに 何かを抱えた、男の子が出てきた。




たった数歩。

玄関から離れただけだった。




その 男の子は、今まさにナナの目の前にいる、この男と数人の手下によって、突然 捕らえられたのだ。



我が子の叫び声に、慌てて玄関を飛び出し、助けようとする両親。



ただそれだけで、外に出たとされ、共犯として捕らわれてしまった。


そして、重罪人として連れて行かれたのだ。





連れ去られた後、その場に落ちていた袋。

その中には、近所に住む友達への、誕生日プレゼントが入っていたらしい。



キレイなラッピングを施された、可愛い柄の紙袋は、無惨に踏みつぶされ、中身は飛び出してしまっていた。


そして、辺りには 男の子の 血が飛び散っていた。


どれ程に恐ろしい事が、起きていたのかを 言わずとそれが、物語っていた。