「まあな! あいつ等と違って俺は、人望が厚いってことよ!
ちょっとした情報が入ったって訳よ。
後は、待ち伏せして捕まえればいいだけだからよ!余裕だよ。」
「さすがですね! 今度は 誘って下さいよ。」
「しょうがねぇなぁ。」
「先輩なら、拳銃所持も夢じゃないっね。」
「バカやろ! あれは無理だ!」
「そうっすか?」
「ああ、あれは あいつ等だけの特権だよ………」
男が語る あいつ等とは誰の事だか、当然ナナには検討もつかなかった。
ただ、拳銃所持を許される警備兵が、存在する事だけは理解出来た。
男は 無言で、刀を莢から引き抜いた。
それは、息を潜めるナナとハヤトの目にも、ハッキリ見て取れた。
莢から引き抜かれた それは、月明かりに照らされ 妖しげに ギラリと光った。
すべてを切り裂きそうな鋭い刃を、目の当たりにしたナナの体は、反応を隠す事が出来なかった。
カザサッ ガサッ
しまった!!
見つかっちゃう!
気をつけてたのに!