∞ フェン・ジィスター第0章 ∞ 血ぬられた道しるべ


目を 覆いたくなる、その 地獄の中から、ついに 生存者が発見された。





血だらけで、無残に横たわる母に しがみつく少女。

その頬は 青白くやつれ、涙で、ぐっしょり濡れている。



気を失っていても、必死で 母を温めようと、助けようとしている姿に、どれ程の涙が 流れた事だろう。





プランタリー地区の住民は、後にも先にも、この少女一人を残して、全て死に絶えたのだ。





一瞬にして、母も親戚も、仲良くしていたすべての大事な人達を、失ってしまった。


わずか 五歳にして、突きつけられた 現実。


これが、どれ程に辛く 悲しい事なのか…分かるだろうか?






しかし、これ程までに強力な ウイルスだ。

当然、二次感染の恐怖は…半端なものではなかった。