―「暁、そんな顔すんな。
 別に死ぬ訳じゃないし。」

バイクに乗った
綴喜とはあまり
年齢の変わらない少年は
笑顔でそう言った。

―「でも……兄ちゃん……」

―「心配してくれんのか?
 ありがとな、可愛い弟よ。」

ぐしゃりと頭を乱暴になでる。
その手はとても冷たかった。