その後すぐに、

「美夕……ごめんな」

ソラは優しい口調でそう呟くと、

ベッドを軽く上下に揺らしながら、あたしから離れていった。



そして、何もいわずに、そのまま部屋から出て行った。



ソラが階段を下りて、玄関を出て行く音を確認すると、

あたしはゆっくりと体を起こした。



そして、自分の腰の、まだ腫れがひいていないその箇所に触れてみる。

傷は、まだ熱を持っているみたいに熱かった。



あたしは、恐る恐るその傷に目を向けた。




おそらく当分は消えないだろう、あたしの心の叫び。

不細工で、ガタガタな「ソラ」という文字。




その横には、小さな、小さな、キスマークが残っていた。







「う……ううっ……」


あたしは、その傷に手を当てたまま、もう一度ソラのベッドに横になると、


いつまでも、いつまでも泣き続けた。