「何を見てるの?」

ソラが顔を上げて、あたしの視線を追いかけた。


「……あれ? あの写真立て」

「見覚えがある? 小学生の時、クリスマスパーティーで……」

「あぁ、プレゼント交換だ!」

「悔しいなぁ、そのことは覚えてるんだ。そうだよ。あれは、ソラにもらったんだよ」


「そうか……。真ん中の小さい女の子は、美夕だな……」

「うん」

「その隣は、俺?」

「そう。中学の卒業式のあと、うちのママが撮ってくれたの」


その後、ソラは少し考えて。


「もう1人……は?」

「キラだよ」

「キラ…」

「そう、キラ。ソラとよく似てるでしょ? ソラの双子のお姉さん」


キラの名前を出すと、気のせいか、ソラの心臓の鼓動が早くなった気がした。


「双子って……そんなに似てるか?」

「似てたんだよ! 今は全然違うけどね」

「そうか……」


「それと、もうひとつ。キラは……」


……ねえ、キラ。聞こえてる?

あたし、やっぱり諦めないよ。
キラとの約束、守ってみせるね。


キラの笑顔にそう語りかけながら、あたしはソラを見上げてこう言った。


「……あたしの、自慢の親友!」




それからも、私たちはずっと、寄り添いながらその写真を見つめ続けた。





そして。

写真の中で将来を夢見て笑う幼い頃のあたしたちは



いつまでも、

いつまでも、



あたしとソラに笑いかけてくれた。






──私たちの輝ける未来に、万歳!──





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