暗くなり始めた部屋のカーテンの隙間からは、一筋のあたたかな夕陽が差し込んでいた。

ソラの肩越しにダンボールで埋まった部屋の一番奥に目をやると、小さなカラーボックスの上のその場所だけが、まるでスポットライトを浴びているように照らし出されている。

そこにあったのは、カーテンと一緒に段ボールから取り出して、一番最初に飾った写真立て。


写真に写っているのは、

中学の頃のキラと、ソラと、あたし。



あのころのあたしたちは、

幼くて、

自分の気持ちにひたむきで、

ただ、お互いに傷つけ合うばかりで。



そんなあたしたちには、きっと、時間が必要だったんだろう。

いつか旦那さんが言っていたように、何もかもが「仕方なかった」ことで。





──今なら言える。



親友の裏切りも、

好きな人や友との別れも。

あたしが幾度となく流した涙も、辛い思いも。



それらは、今日のあたしたちのために、全て必要なことだったんだろうって──