ウソ★スキ

最初はほんの小さな恋心だった。


ソラを好きになったのは、小学生の頃。

ソラと言うよりも、恋そのものに憧れを持ち始めた頃。


その時、一番あたしの身近にいて、一番目についた存在。


……それがソラだった。



そんな淡くて幼い恋心は、

中学に上がって、

あたしたちが『双子の秘密』を共有することになってから、いびつに形を変えていった。


隠し通さなければいけない禁断の恋。

そしてそんな恋をしている親友の恋人に、してはいけない片想い。


そんな刺激的な恋は、危険を冒すみたいに楽しくて、

自分でも気付かないうちに、どんどん大きく膨らんでいった。


そして。

キラの企みでソラにウソの告白をしてしまった後は、それはさらに歪んだ愛情に変わって。

「好き」だとか「恋」なんて言葉で片付けるには、あまりにも厄介になりすぎて。


気付いたときにはもう遅かった。

後戻りできなくなってしまったあたしの気持ち。

その結果、キラも、ソラも、先輩も。そしてあたし自身も。

いっぱい悩んで、いっぱい体も心も傷ついて、いっぱい苦しむことになって。




だけど─

もし、こうなることが分かっていて、もう一度最初からやり直せるとしたら?




それでも、あたしはソラを好きになっていた気がする。



理屈じゃないんだ。




何度でも、

何度だって、




あたしは間違いなくソラに恋している──