「お互いよく分かり合ってる、楽な相手を選ぶなって言ってんだよ。それにお前は恋してたわけじゃないだろ。ただ、自分だけのおもちゃを他人に奪われたくなくて、ダダをこねてただけじゃないか」
車から聞こえる男の人の言っていることはかなり手厳しくて、聞いているあたしのほうがハラハラしてしまう。
「お前の弟はおもちゃじゃなくて感情を持った人間だ。それにいつまでも気付かなかったお前の負けだ、アホ」
「何よ偉そうにっ! あんたのことだけはどんなに頑張っても理解できないわ!」
「お互い様だ」
「何度も言うけど、私は本気でソラを好きだったの!」
「だーかーら-、それが間違ってるって言ってるんだ」
私が呆然と眺めている前で、けんか腰で繰り広げられる恋愛論。
キラも彼も、本気で言い合っていた。
「あーもう、最悪!」
だけど、そんなことを言いながらも、キラは楽しそうで。
「美夕ってば、そこで笑ってないで、コイツに何か言ってやってよ!」
その笑顔はもう、決してソラと見間違えることのない、
……キラだけの表情だった。
車から聞こえる男の人の言っていることはかなり手厳しくて、聞いているあたしのほうがハラハラしてしまう。
「お前の弟はおもちゃじゃなくて感情を持った人間だ。それにいつまでも気付かなかったお前の負けだ、アホ」
「何よ偉そうにっ! あんたのことだけはどんなに頑張っても理解できないわ!」
「お互い様だ」
「何度も言うけど、私は本気でソラを好きだったの!」
「だーかーら-、それが間違ってるって言ってるんだ」
私が呆然と眺めている前で、けんか腰で繰り広げられる恋愛論。
キラも彼も、本気で言い合っていた。
「あーもう、最悪!」
だけど、そんなことを言いながらも、キラは楽しそうで。
「美夕ってば、そこで笑ってないで、コイツに何か言ってやってよ!」
その笑顔はもう、決してソラと見間違えることのない、
……キラだけの表情だった。


