このままキラと別れたくない。
もっと、もっと話をしていたい。
だから、キラを引き留めたい一心で、ただ名前を呼んだだけだった。
だけど、
「なに? 早く言って?」
キラに急かされたあたしは、とっさに
「あのね……ちゃんと眠れてる? もう夜は怖くない?」
って。
そんな事を聞いてしまった。
階段を下りきったところで足を止めたキラは、
「イヤだ。ソラってば、美夕にそんなことまで話してたんだ?」
少し驚いた顔をしながらも、照れくさそうに、
「……もう大丈夫よ」
って答えてくれた。
そして、
「それも、アイツのおかげなんだけどね」
そう言って、アパートから少し離れた場所に止まっている車を顎で指した。
車の運転席の窓は開いていて。
遠目からだと車内の様子はよく分からないけれど、そこには短髪の男の人が座っていた。
「入院している間は落ち着いてたんだよ? だけど、家に戻るとやっぱり、いろんなことを思い出しちゃって……。せっかく落ち着いていたのに、あっという間に元に戻っちゃった。それからは毎日、夜が来ると怖くて、怯えて。……お医者さんに貰った薬を飲んでもダメだった……」
キラの話に相づちを打ちながら、あたしは再度キラとの距離を縮めるためにゆっくりと階段を下りていった。
もっと、もっと話をしていたい。
だから、キラを引き留めたい一心で、ただ名前を呼んだだけだった。
だけど、
「なに? 早く言って?」
キラに急かされたあたしは、とっさに
「あのね……ちゃんと眠れてる? もう夜は怖くない?」
って。
そんな事を聞いてしまった。
階段を下りきったところで足を止めたキラは、
「イヤだ。ソラってば、美夕にそんなことまで話してたんだ?」
少し驚いた顔をしながらも、照れくさそうに、
「……もう大丈夫よ」
って答えてくれた。
そして、
「それも、アイツのおかげなんだけどね」
そう言って、アパートから少し離れた場所に止まっている車を顎で指した。
車の運転席の窓は開いていて。
遠目からだと車内の様子はよく分からないけれど、そこには短髪の男の人が座っていた。
「入院している間は落ち着いてたんだよ? だけど、家に戻るとやっぱり、いろんなことを思い出しちゃって……。せっかく落ち着いていたのに、あっという間に元に戻っちゃった。それからは毎日、夜が来ると怖くて、怯えて。……お医者さんに貰った薬を飲んでもダメだった……」
キラの話に相づちを打ちながら、あたしは再度キラとの距離を縮めるためにゆっくりと階段を下りていった。


