「ねえ、美夕ちゃん」
先輩が、あたしの頭を撫でながら耳元で囁いた。
「狡いかもしれないけど……俺は美夕ちゃんが好きだよ」
そして小さくゴメンね、ゴメンね、って何度も呟いたあと。
先輩は言った。
「だから、美夕ちゃんが心から笑えるようになるまで、もう少しだけ彼氏のフリ、してもいい?」
その言葉に、体中の力が奪われて。
あたしはもうこれ以上1人で立っていることが出来なかった。
何も言わないのが、先輩への返事────
あたしは、先輩の胸の中で、声を上げて泣いた。
そんなあたしたちのことを、今にも雲に隠れて消えてしまいそうな儚げな月だけが見ていた。
先輩が、あたしの頭を撫でながら耳元で囁いた。
「狡いかもしれないけど……俺は美夕ちゃんが好きだよ」
そして小さくゴメンね、ゴメンね、って何度も呟いたあと。
先輩は言った。
「だから、美夕ちゃんが心から笑えるようになるまで、もう少しだけ彼氏のフリ、してもいい?」
その言葉に、体中の力が奪われて。
あたしはもうこれ以上1人で立っていることが出来なかった。
何も言わないのが、先輩への返事────
あたしは、先輩の胸の中で、声を上げて泣いた。
そんなあたしたちのことを、今にも雲に隠れて消えてしまいそうな儚げな月だけが見ていた。


