「ううん! あたし、負けたんです。あの2人が並んでいるところを見て、やっぱりお似合いだなんて思ったもの……」
先輩は立ち上がると、黙ってあたしを抱き寄せた。
「あたし、意気地なしだから……」
「そんなことは、絶対にない」
先輩の胸は温かかった。
昼間に感じた背中よりも、もっともっと、温かかった。
「先輩……あたしね、ソラに一度も『好き』って言えなかったんです。こんなに好きなのに、一度も……」
「……うん」
先輩は、あたしが何か言うたびに優しく相づちを打って、そしてぎゅっとあたしを抱きしめてくれた。
「あたしの気持ち、ちゃんとソラに伝わってたかな……」
「……伝わったよ」
「でも、キラに負けた……土壇場になって怖じ気づいて逃げたんだって……思われてないかな……」
「そんなことない」
見上げると、先輩の頬には一筋の涙が伝っていた。
「こんなに美夕ちゃんは頑張ったんだ。ソラも分かってるよ」
「でも……」
「美夕ちゃんは、ソラのことが好きだから、ソラを苦しませたくないから、だから『バイバイ』って言ってあげたんでしょ? それって勇気がいることだよ」
「先輩……」
「……美夕ちゃんは、強いよ。好きな男のために、精一杯頑張ったんだ。それが伝わらないわけないじゃないか」
先輩は立ち上がると、黙ってあたしを抱き寄せた。
「あたし、意気地なしだから……」
「そんなことは、絶対にない」
先輩の胸は温かかった。
昼間に感じた背中よりも、もっともっと、温かかった。
「先輩……あたしね、ソラに一度も『好き』って言えなかったんです。こんなに好きなのに、一度も……」
「……うん」
先輩は、あたしが何か言うたびに優しく相づちを打って、そしてぎゅっとあたしを抱きしめてくれた。
「あたしの気持ち、ちゃんとソラに伝わってたかな……」
「……伝わったよ」
「でも、キラに負けた……土壇場になって怖じ気づいて逃げたんだって……思われてないかな……」
「そんなことない」
見上げると、先輩の頬には一筋の涙が伝っていた。
「こんなに美夕ちゃんは頑張ったんだ。ソラも分かってるよ」
「でも……」
「美夕ちゃんは、ソラのことが好きだから、ソラを苦しませたくないから、だから『バイバイ』って言ってあげたんでしょ? それって勇気がいることだよ」
「先輩……」
「……美夕ちゃんは、強いよ。好きな男のために、精一杯頑張ったんだ。それが伝わらないわけないじゃないか」


