────大丈夫。
きっとソラには、あたしの涙は見えていないはずだ。
その時、ホームに電車が入ってきて。
あたしが手を下ろしてソラにひとつ大きく頷くと、
ソラはホッとした顔をして、
ほんの一瞬だけ、笑ってくれた。
そしてその後、口をきゅっと結んであたしから目をそらすと、自分が着ていた上着を脱いで、泣き続けているキラの肩にかけてあげて。
ソラはもう、決してあたしの方を見ようとはしなかった。
ソラは、
腕を振りほどかれて気を悪くしたのか執拗に詰め寄ってくる駅員に首を横に振って何か答えると、
今にも崩れ落ちそうなキラの肩を抱いて、
周りを取り巻く野次馬を押しのけながら、
入ってきたばかりの、あたしたちが乗るはずだった電車に乗り込んだ。
こうして。
2人の姿はあっという間にあたしの視界から消えてしまった。


