ベッドから起き上がると、あたしは机の上に置かれたおにぎりに手を伸ばした。
それを口元に運んで一口パクリと食べると、中からまた柔らかい湯気が上ってくる。
具は、何も入っていなかった。
塩がききすぎているのも、
ちょっと大きめなところも、
相変わらずだ。
ママのおにぎりはいつもこうなんだ。
だけど何年も食べ続けていると、
このしょっぱさがあたしの『おにぎりの味』になって、
この大きさが、食べ応えがあってちょうどいいって思うようになっていた。
「おいしい……」
あたしは泣きながらおにぎりふたつとココアを完食した。
その後、ママに言われた通り、ちゃんと歯も磨いて。
それから、クローゼットの奥に詰め込んでいた旅行カバンを取り出した。
ペンションから帰った日の夜、片付けるのが煩わしくてそのまま奥に押し込んでしまったカバン。
その中には使わなかったタオルや着替えが入ったままになっていた。
それを取り出すと、一緒にペンションの木の香りが広がったような気がして、
あたしは、まるであの日に戻ったような錯覚に陥った。
それを口元に運んで一口パクリと食べると、中からまた柔らかい湯気が上ってくる。
具は、何も入っていなかった。
塩がききすぎているのも、
ちょっと大きめなところも、
相変わらずだ。
ママのおにぎりはいつもこうなんだ。
だけど何年も食べ続けていると、
このしょっぱさがあたしの『おにぎりの味』になって、
この大きさが、食べ応えがあってちょうどいいって思うようになっていた。
「おいしい……」
あたしは泣きながらおにぎりふたつとココアを完食した。
その後、ママに言われた通り、ちゃんと歯も磨いて。
それから、クローゼットの奥に詰め込んでいた旅行カバンを取り出した。
ペンションから帰った日の夜、片付けるのが煩わしくてそのまま奥に押し込んでしまったカバン。
その中には使わなかったタオルや着替えが入ったままになっていた。
それを取り出すと、一緒にペンションの木の香りが広がったような気がして、
あたしは、まるであの日に戻ったような錯覚に陥った。


