ウソ★スキ

「……だから、もし一晩考えて気が変わったら、その時は無理しなくていいからな。それで美夕を責めるつもりはないし、暫く遠距離になるけど、俺は美夕と別れるつもりはないから」


そう言って、ソラは明日の待ち合わせ時間と場所を教えてくれた。

「一緒に来れなくても、見送りには来てくれるよな?」


あたしは目を閉じたまま、黙って頷いた。

そんなあたしに、ソラはホッとしたように「ありがとう」って言ってくれたけど……


……でもね、ソラ。

あたしは『見送り』なんて、行くつもりないよ?

絶対、何があっても、ソラについて行くよ?


明日からはずっと一緒なんだって、そう思ったら少しだけ元気が出た。

今夜一晩くらい、我慢できるって──



そして。

あたしたちは軽いキスを交わした後、もう一度明日の約束をしてから家の前で別れた。


だけど。

あたしの胸は明日への希望でいっぱいのはずなのに。


──どうしてだろう?

家に入る前に足を止めて夜空を見上げると、

空は厚い雲で覆われて真っ暗で、星も、月も、なにも見えなかった。


──なんだかイヤな予感がするなんて、きっとあたしの考えすぎた。


あたしはそんな不安を拭うように、急ぎ足で家へと入っていった。