ウソ★スキ

「あーあ、俺、絶対もったいないことしてるよなぁ……」

少しおどけてそう言う先輩に、思わず頬が緩んでしまう。



先輩はソラとの約束どおり、どこまでも「紳士」だった。

そんなの感じる必要ないのに、あたしとソラを引き離したことに罪悪感まで感じてくれていて。


「これは俺の計画なんだ。ソラが浮上したら、そのとき本気でリベンジするからね」


口ではそう言いながら、先輩は毎日ほんの少しだけ遠回りをして、キラとソラの家の前を通ってくれた。

だけど、ソラとキラ、どちらの姿を見ることもできない日が続いて。


「あいつは馬鹿だな。こんな近くに美夕ちゃんがいるのに気づかないなんて」

「そんなの無理ですよ、ソラは超能力者じゃないんだから」

「そうかな? 俺だったら絶対気付く自信があるけど」


そんな話をしながら、
静まりかえった家を見上げながら、

あたしたちは毎日双子の家の前を通り過ぎた。



先輩が優しければ優しいほど、あたしは怖くなる。




──ねえ、ソラ。

あたし、ソラに会いたいよ……

電話でもメールでもない。

ただ、何も言わずに、ぎゅっと抱きしめて欲しいのに。


ねえ、ソラ。

早く迎えに来て?


あたしが先輩と一緒にいることを「心地いい」って思ってしまう前に──