ソラからメールが届くと飛びつくくせに、

返事を書こうとすると、携帯のキーを押す手が固まってしまう。


出てくる言葉は恨み言ばかり。

そうなるとまたソラを傷つける結果になりそうで。

ソラを苦しめて、傷つけることが怖くて仕方がなかった。


だけど、だからといって自分の気持ちを偽って『怒ってなんかないよ!』って笑い飛ばす余裕なんてなくて。


メールが無理なんだから、電話なんてなおさらダメだ。

ソラの声を聞いただけで泣いてしまいそうだから、いつまでも鳴り止まないコール音を聞き続けた。



だけど。

そうやって自分からソラを拒んでいるくせに、

メールを読み終えたり電話の着信音が止んでしまうと、途端に胸が苦しくなる。


このまま、もう二度とソラから連絡が来ないんじゃないかって怖くなる。



「……何やってんだ、あたし」



今となってはあたしとソラを唯一つないでくれている携帯電話。

それをおでこにコツンとぶつけると、あたしはソラを想って泣いた。