ウソ★スキ

奥さんは、あたしたちの訪問に困惑しているようだった。


そして初めて聞く低い声で

「ちょっと……待っててね」

そう言うと、一度開けたドアを再び閉じた。



──だけど。

閉じられたのはドアチェーンを外すためで、すぐにまた開くと思ったドアはなかなか開かなかった。


「俺たち、来たらマズかったのかな?」

「分かりません。でも……」


決して、歓迎はされていない。

そんな雰囲気がひしひしと伝わって来て。


あたしは不安で仕方なかった。


……どうして、ソラの家から奥さんが出てくるの?

……キラやソラに何かあったの?


「美夕ちゃん、今日奥さんがここにいること知ってた?」

「いえ……」

「旦那さんも来てるのかな?」

「あたしは何も……」


何も、知らない。

あたし、本当に、何も聞かされていない──


そんな自分が情けなくて、

先輩が隣で

「大丈夫だよ、きっと2人は遊びに来ただけなんだよ」

って優しい言葉をかけてくれても、それに頷くことさえ出来なかった。