「美夕、ごめんな」

ソラからこの言葉を聞くのはもう何回目だろう?


「ううん、あたしこそ、ごめん……」

そしてあたしも。

何度涙を見せて、
何度ソラに謝っているのか、数え切れないほどで。



ねえ、ソラ。
ペンションでの夜以来、あたしたちはお互いに謝ってばかりだね──



「美夕は悪くないって。美夕は俺たちの姉弟ゲンカに巻き込まれてるだけなんだから」

そんな優しい言葉があまりにも苦しくて、あたしは更に泣くしか出来なかった。



繋いだあたしたちの手は、さっき公園で触れ合っていた時のように動きはしなかった。


その代わり、ソラの大きな手は、

強く、

バスが学校の前で止まるまでずっと、

あたしの小さな手を強く包み込んでくれていた。


そう。
それはまるで、

あたしをすべての外敵から守ってくれようとしているみたいだった──