あたしは携帯を開くと、掲示板にアクセスした。

昼休みに初めて見たときには10回程度だったアクセス数は、既に200回を超えていた。

そして一度、更にもう一度と画面をリロードするたびに、その数は確実に増えていく──



画面の向こうには、キラに腕を貸して眠るソラがいた。

さっきまで、この携帯から優しい声を聞かせてくれていたのに……。

安心しきったソラの寝顔に、あたしの胸は締め付けられた。



──ソラは、冷静だ。


もしもソラがもっと感情的だったら。

キラに対して、怒ったり困ったり。

そんな感情を露わにしてくれたら、あたしだって素直に「こんな写真を見せられるのはイヤだ!」って言えたのに。

ソラはあたしのことを薄情だって思ったかな?



結局、ソラは何があってもキラのことを受け入れる気がした。

それは、大切な姉として。

そして、小さな頃から寄り添って、助け合って生きてきた同志として。


そう言われてしまうと、あたしは何も言い返せない。

それはこれからもずっと変わらない。




「だけど……キラは元カノじゃん……」




ヤキモチもやかせてもらえないなんて。

「ずるいよ、ソラ……」

あたしはその場に力なくしゃがみ込んだ。