「……え?」

あたしとソラはほぼ同時にそう聞き返していた。



「参ったな……」

眉間にシワを寄せ、怖い顔をしたまま、先輩は宙を見つめた。


「……どういうことですか?」

ソラの声は、震えていた。



先輩は、深いため息をついたあと、ソラの方を向いて言った。




「──キラちゃんが、消えた」








……何? 
どういうこと?



その瞬間、あたしの思考は完全にストップしてしまって、

先輩の言っていることをすぐには理解できなかった。






そして、

「もしかして……キラ、部屋にいないんですか?」

あたしがようやく声を絞り出した時、



ソラはもう先輩の横をすり抜け、その奥にある階段を駆け上がっていた。