「ここにあった俺の名前、まだ残ってる?」
「ううん、もう消えちゃった」
「痛かった?」
「うん。すごく痛かったよ。……もう、絶対やりたくない」
「そうだな。……これからは、俺に直接言って」
「え?」
「俺の名前を呼びたいときは、ちゃんと口に出して、俺に聞かせて?」
俺のことを考えてる美夕のこと、全部知っておきたいから──。
ソラは、照れくさそうにそう言うと、あたしの腰に触れていた手をゆっくり離した。
そして、あたしたちはもう一度、指を1本1本絡めながら固く手を繋いだ。
「俺、あの傷を見つけたとき、すっげー嬉しかったんだ。傷は赤く腫れてめちゃめちゃ痛々しかったのに、愛おしくて仕方がなくて……。俺の名前も、あの時つけたキスマークも、ずっと消えずに残ればいいのにって思ってた」
「……別に、ソラに見せようと思ってあんなことをしたわけじゃなかったんだよ?」
「分かってるよ、それくらい」
ソラが頷く。
「口に出せない美夕の気持ちが分かったから、余計に俺は、美夕を諦められなくなったんだ」
「ううん、もう消えちゃった」
「痛かった?」
「うん。すごく痛かったよ。……もう、絶対やりたくない」
「そうだな。……これからは、俺に直接言って」
「え?」
「俺の名前を呼びたいときは、ちゃんと口に出して、俺に聞かせて?」
俺のことを考えてる美夕のこと、全部知っておきたいから──。
ソラは、照れくさそうにそう言うと、あたしの腰に触れていた手をゆっくり離した。
そして、あたしたちはもう一度、指を1本1本絡めながら固く手を繋いだ。
「俺、あの傷を見つけたとき、すっげー嬉しかったんだ。傷は赤く腫れてめちゃめちゃ痛々しかったのに、愛おしくて仕方がなくて……。俺の名前も、あの時つけたキスマークも、ずっと消えずに残ればいいのにって思ってた」
「……別に、ソラに見せようと思ってあんなことをしたわけじゃなかったんだよ?」
「分かってるよ、それくらい」
ソラが頷く。
「口に出せない美夕の気持ちが分かったから、余計に俺は、美夕を諦められなくなったんだ」


