「一緒に寝てるよ」

ソラは言いにくそうに、そう答えた。


「俺が自分の気持ちを自覚してからは、キラと寝るのが辛くて……。キラに『そろそろ、別々の部屋で寝よう』って話をしたんだ。もちろん美夕の名前は出せなかったけれど、それが、俺たちの『別れ話』になった」


ソラの言葉に、あたしの胸がまた痛んだ。


「キラはかなり抵抗したけど、最後には納得してくれて、俺たちはそれぞれの部屋で寝ることになった。……だけど、その頃からまた、キラの様子がおかしくなったんだ。キラは、小さな頃に戻ったみたいに、毎晩激しく体を震わせて──」


言葉に詰まったソラは、その先を言うことが出来なかった。


あたしのせいだ──。
そこまでキラを追い詰めたのは、あたしだ──。

泣き声が漏れそうになって、あたしはぎゅっと唇を噛みしめた。

力を入れすぎて、口の中に血の味が広がるほどに。


「俺は、そんなキラのことを放っておけなかった。キラの部屋から泣き声が聞こえてくると、気になって眠れなくて、気がつくとキラの部屋のドアをノックして……」



……だから今も、キラとソラは一緒に寝ることが多い。

寝るって言っても添い寝だけだし、

キラが比較的落ち着いてる日は、ソラだけが床に寝ているらしいけれど……。