「……本当に自然なことだったんだ」


夜になると広い家に2人きりになるキラとソラ。

毎晩ひとつの布団で抱き合っているうちに、2人には新しい感覚が芽生えてきた。


仲の良い姉弟とも、
苦境をともに乗り越える同志とも違う、

異性として、相手を求める気持ちが……。


「今思えば、好奇心もあったと思うんだ」

いつまでも幼い子供のままではいられない、心と体。


そして2人は、恋に落ちた。

気持ちが先だったのか、体が先だったのか、本人たちでさえよく分からないままに──。


「いけないことだって……思わなかったの?」

「うん。……そんなのおかしいって言われるかも知れないけど、あの頃の俺たちは2人だけの世界に閉じこもって、ずっと、その世界を守ることしか考えてなかったから……」

「……」

「自分たちの関係を本気で悩むようになったのは、それからかなり後のことだった。……そのときにはもう、すっかり手遅れだったけど」