ウソ★スキ

「ヨリねーちゃんは、優しいねーちゃんであり続けようとしてくれた。ねーちゃんも苦しんでる……それは何となく伝わってきたんだ。……そして、キラは、そういう空気を察するのが得意だった。俺の何十倍も、何百倍も、大人の態度に敏感だった……」


分かる……。

キラは確かに、よく周りを観察していた。

友達と一緒にいるときも、その場の「空気」を作るのが上手だった。

だから、そのときのキラの気持ちが、なんとなくだけど分かる気がした。



だからキラは毎日ソラに問いかけた。

『ソラ、ヨリねーちゃんはどうして怒ってるの?』
『私たち、なにか悪いことした?』

って──。


でも、2人がいくら考えても、納得できる答えは見つからなくて。


キラは頼子さんに機嫌を直して欲しくて、来る日も来る日も声をかけ続けた。

だけどそんなキラの態度は、頼子さんにとっては鬱陶しい以外の何物でもなくて。

キラの言葉は、頼子さんの神経を逆なでし続けて──。




「ある日、ついにヨリねーちゃんが爆発したんだ」