2人がリビングで宿題をしたりテレビを見ながら交代でお風呂に入り、揃って自分たちの部屋に引き上げるまでの間、
じっと座ったままの頼子さんの口から出る言葉は
「早く寝て」
こればかりだった……。
「今なら、ヨリねーちゃんの気持ちも分かってやれるんだ。ねーちゃんは多分、毎晩彼氏と会ってたんだと思う。だから一刻も早く俺たちを寝かしつけて、うちに帰りたかったんだろう、って」
「そんな……」
頼子さんが好きな人に早く会いたいって思う気持ちは分かる。
だけど、
分かるけど、
そんなのって、ひどいよ……。
……そんな理由、まだ小学生だった2人に理解しろって言うほうが無理だ……。
そう言いたかったけれど、
胸がいっぱいで、
あたしの思いは言葉にならなかった。
じっと座ったままの頼子さんの口から出る言葉は
「早く寝て」
こればかりだった……。
「今なら、ヨリねーちゃんの気持ちも分かってやれるんだ。ねーちゃんは多分、毎晩彼氏と会ってたんだと思う。だから一刻も早く俺たちを寝かしつけて、うちに帰りたかったんだろう、って」
「そんな……」
頼子さんが好きな人に早く会いたいって思う気持ちは分かる。
だけど、
分かるけど、
そんなのって、ひどいよ……。
……そんな理由、まだ小学生だった2人に理解しろって言うほうが無理だ……。
そう言いたかったけれど、
胸がいっぱいで、
あたしの思いは言葉にならなかった。


