ウソ★スキ

「だけど、俺よりキラの方がヨリねーちゃんのことを大好きだったんだ。やっぱり同じ女だし、本当の姉ちゃんができた気分で嬉しかったんだろうな……。ずっと、ずーっと、キラはヨリねーちゃんについて歩いてた」


ヨリねーちゃんと晩ごはんを食べて、
片付けを手伝って、
2人で一緒にお風呂まで入って。


「あのときのキラの嬉しそうな顔、今でもよく覚えてるよ」

「いい人がそばにいてくれて、よかったね……」



だけどソラはすぐに返事をしなかった。

そしてその後、「そうだな」ってため息混じりの暗い声。



「……だけど、1年くらいすると状況が変わったんだ」

その声の変化にはっとして、あたしは思わずソラの顔を見上げた。

明かりのない山道では、ソラがどんな表情をしているのかよく見えないけれど。



……でも、ソラは、どこか遠くを見つめていた。

ここではない、どこかを。



「ヨリねーちゃんに、彼氏ができたんだよ。それから、ヨリねーちゃんは変わった」